墓地にとりましては最も重要となっている永続性が保証ブログ:140417
7年前に母親が、続いて3年前に兄貴が亡くなった。
それまで自由気ままに
結婚もせず、遊びまわっていたミーも、
さすがに一人実家に残った病を抱えた父を思い、
約20年ぶりに実家に帰った。
母親が健在の頃から、
ビールを浴びるように飲む兄貴と親の仲は、
しっくりいかなかった。
そして母親がクモ膜化出血で倒れ、
約ふた月の闘病の末亡くなった後は、
父と兄貴の関係は修復しがたい程にこじれていった。
母親の死を自分のせいだと自らを責め続ける兄貴には、
ビール以外に逃げ場が無かったのかもしれない。
酔っては暴言を吐き暴れる兄貴を、
父は悲しい目で見ていた。
そんな生活が災いして、兄貴も亡くなった。
父は「悲しいけれど、正直ホッとした」とミーに言った。
ミーは、実家に戻りしばらくたってから、
母親が亡くなって以来そのままになっていた、
家の中の片付けを始めた。
そんなある日見付けた手紙の束の中に、
父から母親にあてた手紙があり、
ミーは父に内緒でそっと開いてみた。
それはミーが生まれて間もなく、
父が出稼ぎ先から出したものだった。
内容は
「たまにしか会わないので、
子どもたちが自分の顔を見て泣きだしたのがショックだった」とか
「早く一緒に暮らしたい」とかたいした内容では無いのだけれど、
家族に対する愛情が溢れていた。
ミーは涙が止まらなかった。
兄貴が生きている間に、ひと目見せてやりたかったという気持ちで、
胸が一杯になった。
仏壇の隅に父の目にふれぬようにそっと手紙を置き、
心の中で
「兄ちゃん、ミーたちはこんなにも愛されて育ちましたよ」
とそっと呟いた。
そして、父も昨年亡くなり、
ミーは本当に一人きりになってしまった。
でもミーの前には、3人の写真が有り、
今も3人からの愛情を感じている。